ハイバックをローテーションさせるとブーツのBOAのダイヤルとハイバックが当たってしまう件

バインディングのセッティングは前後のアングル設定をはじめとして人ぞれぞれ。
上手い人の真似をしたり、自分なりに模索しながらあれこれと試してきましたが、近頃やっとセットアングルが前+27°、後+3°、TTのみ前+30°、後+6°に落ち着いた。スタンス幅は52cm。

前足を前側に振るようになるとハイバックも進行方向に対して垂直にローテーションしたくなる。
これはボードをヒールサイドに倒した時に、ふくらはぎのプレッシャーをきちんとハイバックに受け止めさせることもあるが、私としては足を内側に抜く動作をしたい時に、横方向の動きをハイバックに邪魔されたくないということの方が大きい。

ただ、ハイバックの存在感をできるだけ薄めたいという人もいるし、アンクルストラップを緩めに締める人、ブーツのレースを緩めに締める人など、固定力を薄めてフリーフットに近い感覚を好む人もいる。
そうした人は大体においてスノーボードが上手なので、私もそれに倣って解放方向を試していた時期もありますが、今ではハイバックのフォワードリーンもブーツの背にピッタリ沿うように立てるなど、固定力を上げる方向に回帰している。

そうすることで得られる最大のメリットは兎にも角にもレスポンスの向上。
足首の自由度はそれなりに削がれるが、その代わりにボード全体に神経が行き渡るような一体感が得られる。中でもワンフットで滑る時にその違いが感じられるが、要はブーツの中の足の動きとボードの動きとにタイムラグをなくすことにその目的はある。
その上で横方向への足の抜けや、ボードの撓みを感じさせるための、レスポンスの向上とはある意味背反する、動きを抑制しない設えとのバランスの取り方がバインディングを選ぶ際にはとても大切になると思っている。

私にとって、そうしたバランスを一番適切に表現してくれているバインディングが『UNION STRATA』であるのですが、先述のセッティングを施すと『K2TT』ブーツのサイドBOAのダイヤルがハイバックとかなり接近してしまうようになる。

先日、こちらをお読みになっている方から、ハイバックと干渉して『K2TT』のサイドBOAが勝手にリリースされてしまうアクシデントが発生しているとのコメントをいただいた。
私も気になっていたので、いい機会ですし記事にしておこうと思います。

K2TTを先述のセッティングを施したSTRATAに装着すると、上から見たときにハイバックとサイドBOAとは1〜2mm程度のクリアランスしかない。見た目的にはまあまあの問題を感じる。ちなみに、フォワードリーンさせなければハイバックの上端とダイヤルとの間には静止状態で1cm近いクリアランスが生まれる。

ACID GREENのSTRATAでも同じ程度だったので、個体差ではないものと思われる。
バインディングにブーツを装着した状態でブーツを左右に動かすと、絶対ではないが確かにハイバックがダイヤルに干渉することがあった。その場合はダイヤルのロックをリリースする方向に動いてしまう。

ただ、あくまでも私の滑り方による理由が大きいものと思われますが、その状態でもBOAがリリースされるようなことは、これまで一度も発生してはいない。
それと、私はパンツの裾はハイバックの外には出さずにブーツとの間に挟んで滑っているので、パンツの生地が緩衝材になってくれているのかもしれない。

同じUNIONでも細めのハイバックを採用する『FORCE』では、STRATAと同じセッティングを施してもこれだけのクリアランスがあり、何の問題もなく使える。後ろ足(私の場合は右足)側はSTRATAでもFORCEでも前振り3°では何の問題も発生しない。
ではFORCEを使えばいい。というわけにもいかない。バインディングのレスポンスを上げたいとは言っても、ボードの特性を超えるようなレスポンスまではいらないからだ。
FORCEはSTARATAよりもずっとレスポンスが上げられており、STRATAの剛性では追いつかないほどのフレックスを持たされたTTミズメヒノキでしかFORCEは使っていない。
あくまでもSTRATAの持つ絶妙なバランスで私のクイーバーを味わうことが前提なのであります。

近頃はBOAの便利さにズッポシとはまってしまっているし、何よりK2TTの縦のホールド感と、足首の使いやすさのバランスは、STRATAのそれにも似ていて、足周りの組み合わせとしては私の意図にかなり沿っていると感じている。
おかげさまで、今のところこの組み合わせに関して問題は発生していないが、もしもの場合はSTRATAのハイバックを削るか、もしくはヒートガンで熱して曲げ加工を施してでもBOAダイヤルとのクリアランスを確保する気満々だったりしている。
それくらいにSTRATAとK2TTの組み合わせは今の私のお気に入りだ。

おまけで私が施している加工を紹介いたします。
UNIONのバインディングはアングル+9°付近まででハイバックが垂直にふくらはぎを受け止めるように設定した状態で出荷されている。ハイバックはその状態で弧を描いたヒールカップに沿うように作られているので、ローテーションさせるとハイバックの取り付け部分が孤を描いていたぶん、ブーツに向かって飛び出してしまう。
ローテーションさせるにはハイバックを一旦外さないとならないので、外したついでにこの部分をヒールカップに沿うようにヒートガンで熱を加えて伸ばし加工を加えた上で、それでもブーツを攻撃しているように見える場合はこのように削ってしまっている。
『DEELUXE RIN』の時は、ここと当たる踵のサイド部がえぐれるように凹んでいても、見て見ぬふりをしていられたのですが、高価なK2TT LSを手に入れてからは見過ごせなくなってしまった。というとてもセコい理由。
ただ、決して安いわけではないバインディングを、手放す際にはそのぶん値崩れすることを覚悟の上で加工してしまうのにも、それなりに勇気が要りますが。

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