北の国から友来たる:日光〜鬼怒川〜猪苗代ツーリング

札幌のノブがハーレー仲間を訪ねるために内地にやって来るという。
ノブとはちょくちょくやりとりはしているものの、3年前に北海道ツーリングに行って以来直接会ってはいない。
仙台でハーレー仲間と合流したあと、仲間の車に同乗して鬼怒川まで南下して来るというので、R18に乗って会いに行くことにした。

この週の天気は安定しておりましたが、ちょうどこの前日の金曜日だけ雨予報が挟まった。
雨予報が後ろにズレないことだけ祈っていたのですが、心配は杞憂に終わり週末は両日とも晴天となった。
しかも埼玉で20°超えの真夏日予報。まさにツーリング日和。コリャタマラン。

ノブとは16時半に鬼怒川のホテル集合。
まっすぐ向かうと3時間後ほどで着いてしまうので、昼飯を食べてから埼玉を出ても間に合ってしまう。
さすがにそれでは味気ない。ツーリング気分を盛り上げるためにも、せめて8時起きで9時には家を出発したい。なので下道を使うことは前提としつつも、どこか寄り道をして時間を潰しつつ向かわないとならない。
というわけで、いちいち国道や県道を外れ、脇道やら田舎道やらで里の春を堪能させていただいた。

埼玉はすでに葉桜でしたが、まるでタイムマシンで時間を遡るように、北上するにつれ桜の木に着く花びらの量が戻ってくる。
途中、桜の絨毯が敷き詰められた並木道が目につき、休憩のため立ち寄った栃木県鹿沼市にある『板荷リバーサイドランド』ではちょうど桜吹雪のタイミング。

宇都宮で餃子を食べて行くか、日光市内をうろちょろすることも考えましたが「観光よりも走りたい」という、いたって真っ当なツーリング気分が勝り、久しぶりに『霧降高原』に向かうことにした。

キスゲ平園地にある『霧降高原レストハウス』で、遅めのランチに『霧降高原カレー』をいただいた。
観光地の食堂では安全牌でカレーを注文することが多い私ですが、ここはこのカレーが一推しだったので悩み無用。一推しだけあってなかなかに美味かった。

ここも素晴らしい高原ルート。
真夏日予報の埼玉からはだいぶ北に位置し、しかも標高は1,600mあるので、さすがに寒くなるかもと心配しておりましたが、長袖シャツにレザージャケットを羽織ってちょうど良い塩梅の陽気のまま。
つまり、かなり気持ちいい。

広々とした牧草地のあいだを走っていると自動的に『大笠牧場』に辿り着く。
牧場といえばソフトクリーム。とか言うのは私だけだろうか。
あまりに興奮して写真を撮る前にかぶりついてしまったため、肝心のアイスクリームの画像はない・・・

まだ時間が余ったので、こんなことでもない限り絶対に行かないであろう『龍王峡』に寄ってみた。
駐車場から名勝の渓谷まで、険しめな下りの階段をかなりの距離歩かされるのですが、渓谷に陽が差し込んでいないこの時間では、残念ながらその苦労に報いてくれるほどの景勝地ではなかった。トーゼン、帰りはつづら折りの急階段を登り返さなければならず、思いつきだけで来てしまったことをまあまあ悔やんだ。
龍王峡はいくつかのハイキングコースで巡るようになっていて、短いルートで一周3km、1時間半ほどの周回路になっており、陽が差し込む時間を見計らってここを歩く気であれば、それなりに満喫できる場所だと思われる。

そうして16時にホテル着。
広々とした地下のオートバイ専用駐輪場のある、オートバイ乗りにとって、なかなかナイスなホテル。
ただ、この日停められていたのは私のオートバイのみ。うれしいような寂しいような。

その晩はノブと、ノブの旧知のハーレー仲間4人と、分かりやすく鬼怒川のホテルでバカ話に花を咲かせた。
わざわざ大枚叩いて危険なことに課金するオートバイ乗りには、私を含め基本的にバカしかいない。本当のバカから自覚のないバカまで、バカにも色々あるので単純に一括りにすることはできないが、今回のメンツは艶っぽい方向でさまざまな人生経験(失敗)を重ねたおバカさんが多かったので、初対面でも諸々話が早かった。
元来、鬼怒川や熱海って場所はオートバイに乗らないような利口な人でも、適宜ハメを外すためにあるようなもの。天然温泉に大部屋。食べ放題、飲み放題付きで1万円を切るリーズナブルなお値段。
人生で足を踏み外した人間にとって、なんとハメを外しやすい設定なのだろう。

翌朝。ノブたちと別れて一人、ツーリングに戻った。ちなみに私以外は全員クルマ。
全員ハーレー乗りなのに、こんなツーリング日和の休日に何とももったいない話しだ。
昨晩はまあまあ飲み過ぎたので、黙ってこのまま家に帰ることも考えましたが、そうした弱気から逃れるように埼玉に背を向け、ひたすらに121号を北上して猪苗代を目指すことにした。

この日も埼玉は20°を超える夏日予報でしたが、さすがに福島の朝ともなれば尚のこと、まだまだ気温は低い。
この日はレザージャケットの下のシャツを1枚増やして2枚重ねでいたのですが、それではとてもじゃないが耐えられない。鬼怒川を出てほどなく、ミッドレイヤーを追加し、グローブを冬用に交換した上で、迷わずグリップヒーターのスイッチをONにした。「さすがに電熱インナーは要らないだろう」と思い持って来てはいなかったのですが、そんな考えを後悔するほど寒かった。
そんな具合だったので、ミッドレイヤーの予備を持って来ていなければ、鬼怒川を出て1時間足らずで引き返していただろう。荷物になっても持ってきておいてホント良かった。この時期のツーリングの服装選びはただでさえ難しいのに、東北を目指すとなれば想定外のオンパレード。諸々読みが甘かった。

なぜこの日、猪苗代に来たかったのかと言うと。

『SLしあわせの風ふくしま号』と称した蒸気機関車が走ると聞いていたから。
以前、群馬の渋川に観光SLを見に行ったことがあったのですが、そのときは停車中だったり駅のホームだったりしたので撮影がラクだったのですが、今回は猪苗代の景色をバックにR18と一緒のところを撮ろうとか思ったのが大間違い。
後ろの畑に入って撮ろうとか思っていたら、畑の管理者と思われる方に「畑には立ち入り禁止です」と、キッチリ釘を刺された。撮り鉄さんたちがいつも迷惑をおかけしているのであろう。
っていうか、なんとなくでこの撮影ポイントに決めたのですが、撮り鉄さんたちも居並ぶようなグッド・ポイントに来られたようだ。職業柄身についた高いロケハン能力が役に立った格好。

本当は機関車と愛車のこんな感じの画が撮りたかったのですが、SLの到着寸前に現れた他のクルマが画角に割り込んできたりして、構図がグダグダになってしまった。
多くの撮り鉄さんたちは畑を挟んだ先でカメラを構えられており、もっと引きの画を狙われていたのですが、線路脇に陣取る私も十分に邪魔だったようで、「後ろから狙っているので、そこから動かないでくださいね」と、これまた釘を刺されていたため、とっさに動くことができなかった。
というわけで、期せずして撮り鉄さんたちの苦労を知ることとなった。
といったすったもんだに加え、SLの到着を40分ほど待っていたのですが、そこそこ寒かったため、SLを肉眼で見た記憶がまったくと言っていいほど残っていない・・・

凍えた身体を温めるために『道の駅猪苗代』に立ち寄ることにしたのですが、日曜日の道の駅は想像以上に混んでおり、腰を据えてゆっくりできる場所はまったく残っていなかった。
コーヒーを飲んでほっとしたら、さっさと移動することにする。

ここにはほんの2ヶ月前にも訪れていたので、既視感もありそうなものですが、さすがに季節が違うと景色もまったく違う。

昨夏に行った『山形ツーリング』の最終日とまったく同じルートになってしまいますが、この日も猪苗代湖畔から白河に抜けるルートを走ることにした。
この日の猪苗代湖はサーフィンができそうなほどの風波が寄せていた。
おかげで湖畔のルートはハンドルが取られるほどの強風。のんびり流すにはもってこいの道なのでかなり残念。
往路と同じになっても山間のルートの方を選べばよかったかなあ。

とか、後悔し始めた頃に、里山を縫う場所に入り風は止んだ。
そして、フとこんな景色に巡り合わせてくれる。
前回も通ったルートであっても、夏と春では見える景色はまったく違う。
やっぱりこのルートも良い道だ。

夏に走った時は南下するにつれ気温が上昇し、那須を過ぎると眩暈がして来たのですが、今回はジワジワと暖かさが増してくるのでむしろ南下が心地よい。
那須から東北道に乗ってさっさと帰ろうかとも思いましたが、気分が良かったので、そのまま国道4号を走って帰ることにした。

そうして18時前に無事埼玉に帰着した。
ロングツーリングはゴールデンウィークを過ぎて、もうちょっと気持ちが昂まってから行くのが定番だったのですが、想定外に4月に出かけることとなった。
今年の4月がたまたま暖かいだけだったのか、これから4月は毎年この程度の暖かさになるのかは分かりませんが、気まぐれなノブのおかげで、身体も頭もスノーモードの状態のまま、R18と長距離を走ることになってしまった。
しかも、4月に遥か北に位置する福島まで走ることができてしまったのはむしろ大収穫と言っていいだろう。

何事にも臨機応変に対応できる尻軽人間ならではの幸運でありました。返す返すもバカ万歳。

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