この期に及んでIMPOSSIBLEの今季モデルを買い足してしまった。
同じシーズンに同じボードを2本買うとか、さすがの私でも「どうかしてる」とは思う。
カラマツヒノキを買うあたりまではまだ「2度3度と北海道に滑りに行っていたことを考えれば・・」とか思えたのですが、『Karakoram Prime-X』とこれに関しては完全な勢い。というか予定外。
来季の予約注文がはじまった『K2 TaroTamai RS』も気になっていたし、スキーのBOA搭載のブーツも欲しかったし、R18に装着したいパーツもあったりしたのですが、これで令和8年度の予算案はすべて棚上げとなった。
さすがにこのことは来シーズンまで、場合によっては墓場まで持って行こうと思ったりもしたのですが、今シーズンの最大のトピック、否、私のスノーボード人生において最大のトピックと言っていい『IMPOSSIBLE カラマツ×ヒノキ』を語る上で、このノーマルコアとの比較はどうしても避けては通れない事柄を含んでいることが発覚したため、ここに恥を忍んで公開させていただくことにする。
IMPOSSIBLEのノーマルコアに乗ってみないと、
カラマツヒノキの真実には辿り着けない。
GENTEMSTICKはモデルイヤーごとに細かいマイナーチェンジが加えられているとされるが、その内容に関しては公表されていない。コアの違うスペシャルモデルならなおのこと、何がどう変更されたのかはユーザー自身が確かめる他にない。
TT168の場合も、ノーマルコアに乗っていたことがミズメヒノキを理解する上で土台になっていることは間違いない。
カラマツヒノキの本質を知りたいと思えば思うほど「ノーマルコアに乗っておかなければならない」という呪いのようなものに支配されてしまっていた。
カラマツヒノキを手に入れてからも
IMPOSSIBLEの出物を探す捜索活動は続けられていた。
というわけで、カラマツヒノキを手に入れた後もIMPOSSIBLEの出物を捜索することとなったのですが、ここ数年に渡ってIMPOSSIBLEの出物を物色しつづけてきた私には、大好きなちょい古モデルなら尚のこと、そう易々と見つけられないことは、うすうすと、ではなく、かなり濃いめに分かっていた。
GENTEMSTICKの場合、「手に入れてみたはいいがイメージと違った」といった声もよく聞くし、リセールバリューが高いので「手放すならあまり乗っていないうちに」となりやすいのですが、IMPOSSIBLEに関しては手放す人は少ないようでとにかくタマ数が少ない。
実はこの数週間前に、ちょい古の物件がヤフオクに出品されていたのですが、そういったわけでほとんど新品と変わらない値段で落札されていた。
カラマツヒノキを手に入れる前の私なら、新品同様の値段でもそのちょい古モデルに手を出していたでしょうが、今となっては「あの頃のGENTEMSTICK」への思いはすっかり収束している。
むしろ、カラマツヒノキと現行モデルとを比較する方が理にかなっているので「値段が変わらないのなら、いっそ来季モデルを予約するか」という気持ちに傾いていた。
ただ、GENTEMSTICKの近年のモデルの品質や仕上げに関して、少なくない疑念を抱く私としては「せめてどこかで実物を拝んでから」とか、呑気なことを考えているうちに、予約枠はすでに完売したのか、まったく情報が上がってこなくなってしまった。
そんなわけで、引き続き出物を漁らなければならなくなってしまった。
こちらの懐事情を考慮していただけるのであれば、秋以降に出物が出て来てくれると、とてもありがたいのですが、言ったように待っていれば出物があるとも限らない。その時は春だろうと夏だろうと躊躇している場合ではない。
とか覚悟を決めた途端に、今季モデルの新品未使用品が即決価格で現れてしまった。しかも送料込み。
「今季モデルの新品ならもしもの場合もリセールバリューは担保できるだろう」という“アクティブセイフティ(予防安全機能)”と、「なんなら割っちゃえばいいし」という“パッシブセイフティ(受動安全機能)”の双方が働き、清水の舞台に上がることなくポチっといってしまった。

GENTEMSTICKのニューモデルの情報はもちろんのこと、既存モデルの来シーズンのカラー展開についてヤキモキしていた。なんて、首までどっぷりGENTEMSTICKに浸かっていた時期も確かにありましたが、おかげさまでここ数年はそうしたこととは無縁に、こころ穏やかに過ごすことができていた。
そのため、試乗会や展示会に参加したり、ニセコのショールームに出向いたりして来季モデルの色味や仕上げを確認することもなくなっていたのですが、久しぶりに手に入れた『SLASHER II』の、あまりの仕上げの悪さには100年の恋も覚める思いがした。
それもあって手に入れた今シーズンモデルに対しての過度な期待は避けるようにしていたのですが、実際にこの“エヴァ初号機色”のIMPOSSIBLEを目の当たりにしたら、なかなか品質管理が行き届いているように見受けられた。
GENTEMSTICKはクリアティントの方が人気があるらしい。という話を聞いたことがあるのですが、ここのところはモデルごとにクリアティントのカラーの色味を変えて、モデルや年次の差別化を図ることが慣例となっていたように思う。

そうしたクリアティントの流れから脱却するように、この25-26yと、来季モデルのIMPOSSIBLE 26-27yは、デッキのコア材があまり透けて見えない仕様とされている。
この透けない仕様が、見た目に不揃いの木目を覆い隠し、色をムラなく仕上げることが難しい、樹脂によるグラッシングの百難を隠してくれているのかもしれない。とか、つい意地悪なことを考えてしまうが、たとえそうだったとしても、その選択は正解だったと思わされるほどに、パっと見の印象はまずまずだ。
話は逸れるが、来季の『MAGIC38』は、私が初めて買ったGENTEMSTICKである10−11yモデルを彷彿とさせる透けていないブラウンが設定されていた。
派手なプリントが施されたボードたちに囲まれながら、単色の渋いアースカラーを身に纏った“あの頃”のGENTEMSTICKは、ジブ/トリック系のボードがもてはやされた時代に、そうした流れに抗うような確固たる意志のようなものを私に感じさせてくれていた。このカラー展開を見ていると、ついそんな気持ちも蘇ってしまう。

これって、近頃流行りの“あの頃オートバイ”が“オッサンホイホイ”と揶揄されてるのと同じ構図だな・・・GENTEMSTICKのマーケットも高齢化が進んでいるということか??・・・
さておき、耐久性や色褪せなど、もう少し使ってみないと答えを出すことはできないが、クリアティントではなくなった仕様の仕上がりの良さもあり、25-26yモデルのファーストインプレッションはまずまずといったところ。一安心。
そうした品質の確認が済んだら、まずはノーマルコアのフレックスを確認しないとならない。
すると、カラマツヒノキは今季モデルと同等のフレックスでありました。
「ビッグ・マウンテン・フレックス」と呼ばれる限定仕様のIMPOSSIBLEがあったこに釣られて、カラマツヒノキもハードフレックスなのでは?という希望的観測に支配されておりましたが、どうやらそうではなかったようだ。
『TT Classic』のフレックスは初期モデルからだいぶソフト・フレックスになっているとも聞くので、IMPOSSIBLEのフレックスもビッグ・マウンテン・フレックスが登場したあとから、ハード・フレックスに設え直されたのかもしれない。
カラマツヒノキが特別なハードフレックス仕様であると信じたい私にとって、正直これは残念な結果でありましたが、万が一、カラマツヒノキをダメにしても、新品で代替できるということなので、逆にホッとした気持ちもある。
とか思いながら、2本を壁に立てかけて並べて見較べているときに異変に気がついた。
25-26yの腹が出っ張って見えるのだ。
驚いたことに、カラマツ×ヒノキは
フラットキャンバーであることが判明した。

こちらの画像はカラマツヒノキと、25-26yモデルを滑走面同士で重ね合わせてみたところ。
カラマツヒノキのボトムラインに赤い線を引いておきましたが、この赤い線は完全に水平な線だ。壁の縦の継ぎ目が両者の隙間の先に見えているのが分かるだろう。
ホームページによるとIMPOSSIBLEのキャンバー値は5mmと記載されていましたが、確かに一番開いているところで5mm近く離れている。
勘の悪い私の場合、試乗しただけではこの事実に気づけず「カラマツヒノキはノーマルフレックスとは違って、フラットキャンバーのような振る舞いを見せた」とかなんとか書いて済ませていただろう。気が付いてよかった。
はじめてカラマツヒノキに乗った時に、踏み潰してキャンバーの存在を確認したことは記憶しているのですが、雪上だったので、踏み潰したのがキャンバーだったのか、雪の凹みだったのかは今となっては分からない。
ただ、少し体重を架けるとすぐに潰れたので「ほとんどフラットキャンバーじゃん」と思ったことはよく覚えており、それ以降、薄いながらもキャンバーはあるものと思い込んでいた。
ノギスで計測すると、25-26yはカラマツヒノキよりも0.5mmほど作りが厚いので、不等厚の設定とともにキャンバーシステムが変更になった可能性もなくはないが、プライベートオーダーとはいえキャンバーシステムまでオーダーできたとは思えない。
トップ部が前足の先から反り上がるフルロッカーのようになっておりますが、比べて見るとカラマツヒノキのトップ部のロッカー形状はノーマルコアと同じであった。つまり、元はセンターにキャンバーがあったと考えるのが妥当だろう。
新品未使用品だったとは言え、製造から10年以上が経過したことで経年変化が起きたのかもしれないが、すでに15年が経過している『MAGIC38 Split』のキャンバーは、いまだにしっかりと残されていることを考えると、それも違うように思う。
となると、考えられるのは、こうした材質の形状変化は
カラマツ×ヒノキというコア材の特性だということ。
キャンバーがなくなるほどコア材の張りが緩んだとはいえ、言ったようにノーマルフレックスと同等のフレックス(反発力)は維持できている。
オートバイで喩えるなら「バネは硬めてショックアブソーバーの縮み側を速く、伸び側を遅くして、コーナリング時の姿勢を低く維持する」ことと同様の効果、しなりはゆっくりでも戻りは速くなる効果が得られている。といったところだろうか?
カラマツとヒノキに、やがてフラットキャンバーになる特性があることを知った上でプライベート・オーダーされたのかどうかについては、私にその真相を知る手立てはないが、一つだけ確かなことがある。
同じIMPOSSIBLEでも、
この2本は乗り味が違う。
ということだ。
これは早々に試しておかなければなるまい。
面白いことになって来た。まさに棚からぼた餅。


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