PRANA PUNKS THE PEANUTS GROOVYに乗ってみた話

これまでにも『PRANA PUNKS THE PEANUTS』には何度か試乗したことはあったのですが、このシェイプの意図を掴むには至らなかった。
それもあって、佐々木勝巳師匠のシグネチャーモデルが出ると聞いても手を出すことができなかった。

ヒールサイドのターンのときに、前足のつま先が詰まるように感じるボードがたまにある。
その先入観が発症すると、ボードトップの広さとボード自体の硬さを感じてしまい、それ以降はどうやっても馴染めなくなってしまう。
初めて乗ったTHE PEANUTSはまさにそんな感じで、見るからにユーザーフレンドリーな柔らかなシェイプとは裏腹な独特な乗り味に、トラウマレベルの苦手意識を持ってしまった。
勝巳さんをはじめ、乗り手の方々の映像を見ていると、当たり前だがそんな様子は見てとれないので「きっと的確な乗り方があるんだろうな」と思い続けてきたのですが、短い試乗時間内であれば尚のこと、残念ながら私自身でそれを見つけることはできなかった。

今回ユウタくんに貸してもらったGROOVYモデルは、勝巳さんによって山喜ウッドコアにヒノキがセレクトされているため、厳密にはこれまで私が試乗してきたTHE PEANUTSとは違うもの。
なのですが、シェイプに対して苦手意識を持ってしまっているので、私の誤解を解く助けにはあまりなっていない。

とはいえ大好きな勝巳さんのボードなので、トーゼンキニナル。
そんな記念受験みたいな気分でお借りしたGROOVYでしたが、リフトに乗りながらのユウタくんの話を聞いて、俄然探究心に火が着いた。中でも興味深かったのは、専用のエッジチューンの話し。

ユウタくんは勝巳さんから直接GROOVYモデルを買っているので、ユウタくんのTHE PEANUTSにも勝巳さんと同じステージの『T-TUNE』のチューンナップが施されている。
そして、そのチューンナップによって、THE PEANUTSの後ろ足からラウンドテールまで、エッジはダリングすらされずに立てられていた。

実際にTHE PEANUTSを足許に見下ろすと、右足から後ろが頼りないくらいに短く感じる。
バインディングが装着されていない状態のTHE PEANUTSの画像を眺めているときとはだいぶ印象が違う。
この短い尻尾を使い切るために、エッジはすべて立てられているわけだ。

そして、前足のバインディングは一番前がオリジン・ポジション。
そのうえで後ろ足、テールを主体とした滑りの組み立てをすると、あら不思議。
あれだけ硬く感じていたボードのフレックスが溶解して、トップ付近のバタバタがウソみたいになくなった。

ここのところ後ろ足の荷重に関してアレコレと試していることも関係しているように思う。
あくまでも私の勝手なカテゴライズとして言わせてもらうが、こうした前足で舵を切る感覚が希薄な『リアステア系』ボードの乗り方みたいなものが見えてきた気がする。
そうしたリアステア系ボードの真骨頂はサイドカーブに依存しない自由なラインを描けることにある。
と、勝手ながらに思っている。

つい、一番Widthのある箇所から手前に向けてサイドカーブが始まるあたりを軸にして、ターンのキッカケを掴もうとしてしまっていたが、全神経を後ろ足の下から後ろ側に集中させて、このカワイイ尻尾で舵を切ってやるようにすると、THE PEANUTSはとてもキビキビと旋回していくのでありました。

私的に一番楽しかったのは、テールを弾くようにスナップさせながら向きを変えるショート気味のターン。
もっと言うと『当て込み系』ターン。
フレックスに硬さを感じていたので、雪面は柔らかい方が合っているのだと思い込んでいたし、北海道のよく噛む足応えの良い雪質あってこそなのではないかと勘違いをしていたのですが、むしろ雪面はある程度硬い方が弾く感じが良く伝わってきて操作しやすく感じた。もちろん、端っこに吹き溜まった柔らかいヤツを吹き飛ばすように当て込んでターンさせるのもなまら楽しい。

それでもまだ動画で見る勝巳さんのカービングターンは難しくてできなかったことを勝巳さん本人に報告すると、

と返事が返ってきた。
やはり乗り手に直接教えを請うのが一番の近道なようだ。

今回ユウタくんから聞いた情報を基に実際に乗ってみて、THE PEANUTSへの印象ががらりと変わった。
THE PEANUTSは雪板をベースに作られている話は良く聞くが、今回その片鱗をやっと垣間見ることができた。
正確には雪板の片鱗ではなく、フリーフットな世界観の自由な乗り味について。

ここのところ「もう新しいスノーボードは要らない」とか、うそぶいていたが、やっぱり充実したスノーボードライフのためには、新たな刺激はとても大事だ。とか、久しぶりに無駄遣い者の屁理屈にも火が着いてしまった。

というわけで、この“フリーフットな世界観”について、実はここ最近予感を感じていたコトがあり、今回の試乗がそことすっかり符合してしまうわけでありまして・・・(明日につづく)

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 初めてコメント致します。
    いつも楽しく拝見しております。私もピーナッツを所有していますが初めて試乗した時はその独特な乗り味に興味は持てたものの欲しいレベルまではいきませんでした。しかし先シーズンにジャケ買いで限定品を購入してしまいまして…。私の板もヒノキが使用されており試乗した板とフレックスが違うと言う事もありますがへそ曲がりさんが仰る通り後ろ足で乗ると楽しいこと!! 常に車に積んでおきたいような一枚です。

    いつもへそ曲がりさんのブログを参考にしております。残り少ない暖冬のシーズンですがお体に気をつけて楽しくお過ごし下さい。

    • shindo3さん
      コメントありがとうございます!
      LADEの鹿のヤツですね!そちらもカッコイイですね!
      先日転んで肋骨を強打しました。まだ痛いです・・・年取ると治りが悪くて困ります。
      今シーズンの残りは短そうですが、せめて怪我のないよう気を付けて楽しませていただきます!
      暖かくなるのも早いでしょうから、そうしたらツーリングですね!

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