KADOYA LEATHERS PL-PULLOVER HABD を真夏の2ヶ月間使ってみて、まさに“HABD”を実感した。というお話

KADOYAの今年の夏のニューモデル『PL-PULLOVER HABD』ですが、SNSで最初に見たのは4月。
襟元から脇に向け、斜めに通されたジッパーで開口するプルオーバータイプのパンチングレザー。
といった奇抜なデザインに完全に一目惚れしてしまった私でしたが、とはいえパンチングレザーはあからさまな夏物なので、「まだ4月だし」とか、のんびり構えていた。
それでもまだ夏には遠いはずの6月に、私としてはかなり余裕をもって訪れたはずのKADOYA東京本店で、すでにいくつかのサイズが売り切れているという衝撃の事実を聞かされた。
その時点で本店に残っていたのはBLACKのL、LLサイズ、IVORYの3Lサイズ。
IVORYのLLサイズを試してみたのですが、他店舗にももう残っていないという。
4月の時点でさっさと来ておくんだった。

せっかく浅草までやって来たので、BLACKのL、LLサイズを試着してみた。
PL-PULLOVER HABDは薄手で着心地の良い柔らかさをもつジャケットで、パッド類も装備できない仕様になっているため、Lサイズでも着れなくもない。
同じKADOYAのパンチングレザーのライダースジャケット『PL-SW』はLLサイズだったのですが、脊椎、肩、肘とプロテクションパッドを入れるとライディング時に突っ張る印象があったので、パッドを入れない仕様であればLLで余裕のはず・・・と、思い込んでいた私でしたが、せっかくなのでIVORYの3Lサイズを着てみたところ、シャツっぽく軽く着るならこれもアリな気もしてきた・・・いやいや、欲しいものに目が眩んでいるだけだ・・・すると、そこまで黙って見ていたスタッフの方が「お客さんなら3Lでもいいと思いますよ」と、取っ替え引っ替え着替えている私を見かねて声をかけて来た。
聞けばKADOYAのLLサイズは身長175cmを基準にしているのだという。
身長178cmでよく言えばガッチリ体型、悪く言えば小太りな私なら、プロテクションを装備するPL-SWなら尚のこと3Lの方が適正だった。どうりでLLサイズでも突っ張る感じがするはずだ。
というわけで、IVORYの3Lを買って帰ることにした。
このときはまだ店員さんの口車にうまいこと転がされた感じもしなくもありませんでしたが、こうして実際に自分で着ている画像を見れば、「店員さん疑ってごめんなさい」と言わないとならない。

デザインに特化したレザージャケットでありますので、ディテールをあれこれ言うのはおこがましいのですが、あえて言わせていただきますと、このジップレイアウトは着る時がメンドクサイ。
3Lだとまだ大きいぶん、左右のファスナーを合わせるときに、短くなった方の裾にも手が届きやすいのですが、とくにLサイズだと遠くに回り込んでしまう裾を追って、体を捻るのがかなりつらい。
そして、IVORYだとリブ仕様とされた袖口の黒が絶妙なアクセントになっていることはよーく分かるのですが、猛暑を超える酷暑の夏には、どうもここだけ暑苦しい感じがしてしまうところもオサレは我慢な部分。

ライダースのPL-SWでも風通しの良さを感じておりましたが、薄くしなやかに柔らかいレザーをもつこのジャケットの場合、通気性はさらに高く、前身から入った風が背中から抜けていく感覚もしっかり感じられる。
それはほとんどTシャツでオートバイを走らせている感覚。
街中を走っていても、オートバイを走らせているぶんには暑さを感じない。
シャツ感覚で心も体も軽くなる感じがとても心地良い。

加藤ノブキ氏デザインのこのジャケットには、硬派なアイテムの多い他のKADOYA製品には見られない、ポップでカジュアルなデザイン処理が随所に施されている。
ちなみに、「HABD」とは「HAVE A BIKE DAY」の略。
KADOYAでは「シーズンを問わず着回せる」とか、うそぶいておりますが、標高の高い場所に行きがちな私の場合、9月の中旬にはパンチング穴の空いていないライダースに衣替えることになると思われ、こちらはあきらかに真夏のうちが守備範囲。
でもそれでいーのである。
期限付きだからこそ愛おしく感じられるし、これを着たくてきっと、また次の夏が恋しくなる。

免許が取れるようになる年齢よりも前から、途切れなくオートバイに乗りつづけている私でも、いまだにオートバイに乗ることへの罪悪感や、背徳感を感じることがある。
何も考えずに命に関わることをするのは、確かにただのバカだが、オートバイでもサーフィンでも、バックカントリーでも、かと言って万が一まで想定していたら、楽しむものも楽しめない。
そうしたネガティブな感情を、このパンチングレザージャケットは「そもそも安全に運転すれば済む話だろ」「気軽にいけよ」と私に言ってくれているような気がして、いろいろなものが剥がれ落ちていく感じがしてすごく清々しい。
プロテクター類が装備されない心細さ、それによる罪悪感はあるにはあるが、逆に分別のついた大人だからこそ着られる余裕のようなものも感じる。
これこそがHAVE A BIKE DAY.ってことなのかな。

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