HONDA Collection Hallでホンダの未来を想う

ゴールデンウィーク最初の2日間は、大貫でサーフィンしたのちに宇都宮に移動して餃子パーティに興じたわけだが、その大貫から宇都宮への道中に『モデリティリゾートもてぎ』はある。
若干遠回りではあるのですが、約束の時間までにはまだ間もあったので寄っていくことにした。
とはいえ、駐車場代も含めるとまあまあ立派な入場料を徴収されるので、寄り道なんて気軽な気分で行くような場所ではなかったりする。
それでも私を惹きつけて放さないのはリゾート内に併設される『ホンダコレクションホール』だ。

コレクションホールにさえ行ければ良かったのですが、何やらサーキットの方からレーシングカーのエンジン音が聞こえてきたので、少しでも高額な入場料の元を取ろうとグランドスタンドまで足を運んでみた。
カテゴリーは不明でしたが1シータ—の小型レーシングカーの練習走行が行われていた。
こういったシーンを見てしまうとサーキット走行をしたくなる。
もうだいぶ前になるが、MotoGPを観戦しにきたときに、オーバルコースにオートバイを駐車すると、レース終了後に『ツインリンクもてぎ』のコースを一周遊覧走行させてもらえる催しがあり、それを2年連続でさせていただいたことがある。
学生時代に筑波サーキットを拠点にレースの真似事をしていたことがあるのですが、筑波と較べると比較にならないくらいにここのコース幅は広く、ライン取りで道に迷いそうになるほどだった。国際格式のコースは格が違う。
転ばない程度にペースを上げてここを走ってみたい。とか、つい夢想してしまう。

ホンダコレクションホールは歴代のホンダ車すべてが保存されているミュージアムで、しかもそのすべてが“動態保存”、つまりいつでも走れるように調整が施されている。
ここに保管される車両はホンダ車以外にも及び、トピックやニュースになる車輌たちが世界中から集められているところも特徴。主にホンダの車輌に関しては完全な動態保存が守られており、年に数回『動態確認』と称して展示車両の走行テストも公開されている。お飾りでは決してないところにエンジン屋の本懐を感じさせるメーカー系ミュージアムだ。
昨年の年末に一旦休館とされ、3/1日にリニューアルオープンしたらしいのですが、なんだかずいんぶんとスッキリとした印象に改められていた。
なんでも2輪と4輪の展示を分けることを諦め、すべてのホンダ車を時系列に配置し直したのだそうだ。
この日は「CB Garage Collection〜スーパースポーツバイクの先駆者たち」と題された小型の展示企画のみで他は通常展示。できれば通常展示期間よりも、大型の企画展示が開催されているタイミングで来るのがおもしろいと思う。

というわけで、例によって独自の変態視点で気になった展示を数点紹介したいと思う。

まずは、ホンダにとって最初の2ストロークレーサーである「RC250M」。
シビれるほどカッコエエ。何よりこの鮮やかな「赤」がシビれる。
さすがに4ストロークになるだろうが、今このスタイルのまま発売したら爆売れするのではなかろうか。
今はこういった徹底的に無駄を削ぎ落としたシンプルなスタイルが求められていると私は思う。
もちろん、パワーや安全性も現代の基準を満たしながら、余計な装置類をキレイに隠しきることに、現在の最高の技術を惜しみなく注入して欲しい。

厳つい空冷6気筒エンジンはいつ見ても私に目眩を誘う。
空冷で並列6気筒って、何を考えているのだろう?熱処理の効率を考えたらはっきりと狂っている。
特に真ん中の2気筒はほとんど冷えずに熱だれを起こしっぱなしなのではないだろうか。
それでも空冷で行く、6気筒を積んだモーターサイクルを一般道に解き放つ。
大胆さと精密さをここまで真っ直ぐに表現しているモーターサイクルは、後にも先にもコイツが最後だろう。
気を失いそうになるほどカッコイイ。
『CBX』は常に憧れの存在でしたが、旧車ブームの今は完全に銀河系レベルの夢にまで遠のいた。

こちらは「NR」のシリンダー模型。
「楕円ピストン」は、既成概念に囚われない柔軟で革新的な発想で、常にホンダを「ホンダたらしめていた」象徴のような存在。
こうしてスケルトンでエンジン内部を眺めると余計にそのスゴさが垣間見える。
これもまた狂っている。

他にも市販車、レーシングカーを含む、数多くの展示車両があるのですが、ここには何度も足を運んでいることもあり、見慣れた車輌が多く、そういった車輌は紹介することを忘れてしまいつい魅入ってしまうので画像がない。
ただ、今回はこれまで以上に近ごろのホンダへの物足りなさが、私の中で強く顕在化したように思う。

ホンダには小さくまとまって欲しくないと願うのは私だけではないはず。
真にクルマ好き、オートバイ好き、エンジン好きが、ホンダからいなくなってしまったのかもしれない。
今のホンダはこのCMで描かれている世界観とはまったくの真逆の存在に映る。
むしろコレクションホールに展示されている「過去」のことをこの動画は謳っているのだろうか。

今はもう「効率」の中にしか狂える土俵がないのかもしれない。
そうした世界では空冷6気筒のオートバイや、楕円ピストンにDOHC8バルブを組合わせたV型4気筒エンジンのような狂気はもう通用しないのかもしれない。

そうと分かっていても、クルマ好き、オートバイ好きとして、生きているうちにもう一度、狂ったホンダを見てみたい。
できることなら最後に一台でいいので狂ったホンダに乗っておきたい。

今のホンダの姿が、持続するための最終形態なら、いっそ滅んで欲しいとさえ思う。
クルマやオートバイ製造から撤退して、航空機屋でも、ロボット屋でも好きなようにやって欲しいと思う。
そうすればもうホンダのことを気にせずに済むから。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次