なかなかに中身の濃いシーズンとなった25−26シーズンも、いよいよ最終日。
NSD25時間券の最後の2時間を使い切ることが名目なので、シーズンを締めくくる最後の2時間と言った方が適切か。

そして、シーズンも大詰めとなる4月の終盤に手に入れてしまった『IMPOSSIBLE 25-26y』を『KARAKORAM PRIME-X』で味わう。という今季最後のミッションも残されているので、意外と忙しいシーズンフィナーレ、否、2時間となった。

滑れるコースは『栂の森ゲレンデ』一本なので、まさに2時間一本勝負。


とはいえ、狙うは朝イチのきちんとピステンがかけられたフラットシャウダー。
ほぼ先頭で滑り込めたおかげで、最初の2本だけでしたがきっちりとカービングと向き合うことができた。
やはり、ノーマルフレックス(ノーマルキャンバー)のIMPOSSIBLEは、カラマツヒノキで感じたような、テールのスラッシュ感は薄い。
トップからテールまで、きっちりと斜面を捉え続け、乗り手の操作を最大限に出力しようとする様子は、『MAGIC38』や『SPEEDMASTER』も属する、『GENTEMSTICK BIG MOUNTAIN』シリーズの一員であることを強めに感じさせるもの。
「おもしろい」ことよりも「はずさない」確実性の方を重んじる至極真面目な振る舞いの方が印象に残った。

ただ、IMPOSSIBLEがMAGIC38やSPEEDMASTERと決定的に違うのは、エッジのかかり方がとても柔らかいところ。
とにかくレングスが長いため気づきづらいのですが、実はIMPOSSIBLEのシェイプはかなり細い。
トップが太く見えているが、それはセンターからテールにかけて細くされているために起こる目の錯覚。
そのためサイドカーブもテールよりにかなり緩く設定されている。
MAGIC38やSPEEDMASTERは、前足のすぐ先からサイドカーブが強くかかるようにシェイプされており、前足〜後ろ足と強めに踏みながらトップから強めに旋回することを意図されている。
対してIMPOSSIBLEは、肩〜腰とターン動作の回旋をしながらも、足許のボードを一旦真っ直ぐ走らせ、ターン荷重がボードセンターに差し掛かったあたりからテールにかけてステアさせるような、より後ろ足で向きを変えていく意識を持つと、出口に向かって伸びるような気持ちの良いターン弧を描いて魅せてくれる。
オープンバーンであればそれぞれの特徴を活かしたラインで滑らせてやればよいが、斜面の凹凸やツリーランなどの障害物が現れた時、話は変わってくる。
トップから電光石火の反応を見せて障害物を直線的に回避するMAGIC38やSPEEDMASTERに対し、IMPOSSIBLEは反応が一拍遅れるため、回避ラインの設定をより早めに設定しておく必要がある。
こう書くとIMPOSSIBLEの操作が難しいように感じられてしまうかもしれないが、そういう場面に差し掛かれば乗り手は半自動的にそう対処するだろうから、この差はまさに好き嫌いの違いでしかない。
MAGIC38やSPEEDMASTERの方がより「はずさない」確実性が最初から組み込まれていて、IMPOSSIBLEは難しい場面で少しおっとりしているぶん、状況よりもボードに合わせる操作の組み立てが求めれる。
つまり、同じBIG MOUNTAINシリーズに属してはいても、IMPOSSIBLEは「操るおもしろさ」の方を重視して作られていると私は思う。

そして、幸か不幸かキャンバーが潰れてなくなり、フラットキャンバーとなってしまった『カラマツ×ヒノキ』はというと、さらに輪をかけて「おもしろさ」が際立っている。
もちろんこれも個人的な好き嫌いの話でしかないのですが、こんなことを書いているくらいなので私は大好きだ。
毎度言わせていただいているが、本来、操りづらいはずのフラットキャンバーを、IMPOSSIBLEという器が完全に手懐けてしまっている。
それはつまり、シェイプを細くしてキャンバーをなくしたことで得られる、水の上を滑るが如き低抵抗な乗り味を、かなり手軽に引き出すことができるということ。
ターンの最後の最後まで抵抗感が低く、ターンがテールに差し掛かったところで、ボードに溜め込んだ荷重をピンテールに乗せて一気に放出させた時の快感は、他のボードでは味わえない究極のもの。そこが猛烈に面白いのであります。
そう考えるとカラマツヒノキは、サーフィンで言うところの「オルタナティブ」に付合するミッドレングスのボードに近い存在であるように思えてきた。
なんて書いていると早く海に行きたくなる。

やはりノーマルフレックスのIMPOSSIBLEには硬めのバインディングの方が向いている。
という長〜い前置きを終えて、やっと本題の『Karakoram PRIME-X』との相性についても話しておこう。
味付けはカラマツヒノキもノーマルも基本的に同じなのですが、先述したようにノーマルの方は明らかに、BIG MOUNTAINシリーズの所属となる。
これまでもSPEEDMASTERを『UNION STRATA』や『BURTON GENESIS』といった、ボードのフレックスを制限しないミディアムフレックスのバインディングで楽しんできたように、ノーマルのIMPOSSIBLEでも足首から先を少し緩めに使うサーフライクな楽しみ方も可能。
ただ、特に足を取られやすい春雪や、バックカントリーなどで出遭うややこしい斜面では、硬めでレスポンスに優れるバインディングの方が、キャンバーのあるノーマルIMPOSSIBLEには向いている。
これに関しても、きれいに整えられたピステンバーンや、フカフカの深雪でノーマルのIMPOSSIBLEをPRIME-Xで試してみないことには結論は出せませんが、カラマツヒノキよりもシャキッ!っと背筋の伸びるようなターンを描いてくれるであろうことは容易に想像できる。
なんとも半年後が待ち遠しい話であります。
といった邂逅を経て、IMPOSSIBLEに関して、私の“妄想”のような話も浮かんできてしまったので、次の機会にお伝えしようと思う。すっかり雪も溶けた初夏に申し訳ありませんが、そちらもお読みいただければと思う。

栂池のゴンドラは、栂の森駅の降り口にチケットゲートがあるので、滑り始めから時間券のカウントダウンがはじまり、下り線に関しても同様に山頂側の栂の森駅にゲートがあるため、滑走開始から1時間59分までに下り線のゲートをくぐれば、きっちり2時間滑り切ることができる。

というわけで、時間券の残りの2時間ぶんをきっちり使い切ることができた。
先日の川場スキー場で、滑るのを2時間だけで我慢して4時間ぶんをキープした努力(というか我慢)も、これで報われた。
そして、これで今シーズン買っておいたすべての早割券を成仏させることができた。何とも晴れやかな気分。



こうして私の25-26シーズンは幕を閉じた。
ちなみに、25-26シーズン最後のターンはバックサイドでありました。
来シーズンはフロントサイドからターンに入ることにしよう。
本音を言えばまだまだ滑っていたい。
いつもなんとか気持ちを奮い立たせてゴールデンウィークまで滑っている私としては、これはかなり珍しい感情だ。
立山を含め、まだいくつかの選択肢は残されているのですが、ここでっきっちりとけじめをつけた方が良い〆かたになる気がした。
雪をはじめ、素晴らしいギアとの出会いにも恵まれて、無精の私がまだ滑っていたいと思えるほどに25−26シーズンは中身の濃い素晴らしいシーズンとなってくれた。
いつものシーズンの総括に加えて、今年手に入れたギアの通信簿を含め、まだ語っておきたい話がいくつか残っているので、もう少しお付き合いいただきたいとは思いますが、ひとまずは長かった今シーズンを無事に終えられたことに感謝をしたいと思う。
みなさんお疲れ山でした!


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