
BMW純正のR18用ボバーキットに含まれる『オマージュシート』は、やっぱりかっこいい。
こちらでも何度も書いておりますが、“オマージュ”しているのは、徹底した機能美の追求によってそれまでのモーターサイクルデザインを数世代前に推し進めたと言われる、1936年に発売された伝説の『R5』。
そんなR5を現代的な解釈で甦らせたのがR18。と言われるけれど、オマージュシートをつけて初めてR5との類似性を垣間見ることができる程度で、実際はBMWの対ハーレーダビッドソン戦略車と言った方がしっくりきてしまう。
だからなのかは分かりませんが、サドルシートらしさを誇張したように大きく後ろに跳ね上がられたオマージュシートのデザインは、メーカー純正オプションパーツのレベルを遥かに越えるこだわりよう。
それだけにオマージュシートは、乗り心地よりも見た目の方に、そんなこだわりの全てが向けられているように感じる。
オマージュシートの座面は申し訳程度に柔らかくされた硬質ゴムで覆われており、50kmも走れば尾骶骨が割れそうなほどに痛くなってしまう。
そして、少なくとも私の前19インチ、後ろ16インチホイールを装着された初期モデルの『Pure』にオマージュシートを組み合わせると、シートの座面が前傾になってしまい尚のこと具合が悪い。
『R18 Concept』が前21インチホイールで開発され、オマージュシートもそれに合わせて設計されたため、19インチホイールとされた市販車と組み合わせると前下がりになってしまう・・・のかどうかはさておき、ブレーキングのたびに前側へお尻が滑っていってしまう。

私はこれまでオマージュシート上にオートバイシート用のゲルクッションを座布団のように被せて使ってきたのですが、多少はお尻が前に滑っていってしまうことを防いでくれるものの、腰から上が前へ引っ張られてしまう状況に変わりはなかった。

そしてもちろん、クッションを敷いている姿よりも、オマージュシートそのままの方が何倍もカッコ良い。
できればオマージュシートの座面の角度をもう少しでも平らにして、着座時の姿勢を適正化し、お尻が前に滑り落ちるのを防ぐことができれば、尾骶骨の納まり方も変わり、もしかすると痛みが軽減されるかもしれない・・・
・・・なんていうことは、それこそ納車した日からずっと考え続けてきたのですが、良い方法が思いつかずにこれまでずっと手付かずのままだった・・・というのは半分嘘で、ついゲルクッションの座り心地の良さにかまけて「ま、いっか。めんどくさいし。」となってしまうからでありました。
シートとシートベースの取り付け箇所の前側のボルト部分に「スペーサーワッシャをかます」という、いたってなんてことのない方法は、それこそもう何十回も考えましたが、それだとシートとシートベースの間に隙間ができてしまう。
3Dプリンターでこの角度に傾いたベーススペーサーを作れれば、どう考えてもそれがベスト。
もちろん3Dプリンターなんて持ってないので、そこまで考えて〜諦めて〜を無限ループのように繰り返してきた。

それが今回は、 “ものは試し” で、「まずは角度を調整したシートに座ってみたい」という気持ちの方が上回わり、前側に10mmのアルミスペーサーを噛ませて前側を上げてみることにした。
そのままスペーサーを挟んでも、ベースに斜めに設地してしまい締め付けトルクをかけられないので、アングルワッシャーを挟んで対処することにした。

このセッティングで文字通りに「座りが良くなった」。
強めにブレーキをかけても、尾骶骨の当たり方が良く、脚で腰を支えやすくなることで、お尻が前に滑っていかなくなりました。
ただ、さすがに尾骶骨が痛くなる症状まではなくならず、相変わらず我慢できるのは100kmが限度。
それでもやはり、上半身を支えやすくなることで操作性が上がり、痛みの発生の仕方が穏やかになってくれた。
これまで通り長距離を走る時にはこれまで通りにクッションを敷いておく必要がありそうですが、クッションなしでも痛むまでの距離が伸びたので、これでクッションを敷けば快適度はさらに上がってくれることだろう。

という変化を確認できたところで、空いた隙間にウレタンパッドを挟んで目隠しをした。

雨の心配はないと雨予報レーダーが言うので、信じてテスト走行に出たら、しっかり通り雨に降られた。


「なんてついてないんだ」と、思ったのですが、綺麗な虹を見られたのでヨシとしよう。


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