なんでこのきれいな女性が白目をむいているの?
と、10人中9人の人が思うであろうこのビジュアル。
しかもタイトルが『コンパニオン』とは?これいかに????
もちろん見るものの目を惹くためのインパクト狙いでもあるのですが、このビジュアルのおかげで逆に観る気が失せてしまう人もいるように思えてしまう。
観終われば、と言うか、開始10分もすれば白目の意味が強めに納得できるのですが、それ故になんかもったいないな、とも思う。
できればネタバレせずに観ていただいた方が楽しめる作品。
もし興味があれば、上に貼った予告編も見ずにご覧いただきたい。
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _※ 以下ネタバレしますご注意ください※ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
自身を購入(この場合はレンタル)したオーナーを愛しすぎるほどに愛するように作られたAIロボット。
『ブレードランナー』でもレプリカントのAIを安定させるために、あらかじめ人間の記憶をインプットしておくことが語られたが、今作でもオーナーとの劇的な出会いの記憶をインプットされるなど、より感情移入させるように設計されている。
そして、一番罪深いのは、AIロボット自身がオーナーと同じ人間であると信じ込まされていること。
映画の冒頭では、AIロボットであるアイリスの行動が、無垢と言うにはあまりに天然に過ぎるように思え、「ずいぶんと演技の下手な俳優だなあ」と思わされるほど、演出は徹底されている。
あとで気づいたのですが、AIロボット アイリスを演じているのは、先日こちらでも紹介した『異端者の家』に出演していたソフィー・サッチャー。なかなか演技の幅の広い俳優さんだ。
ロボットではあるが、出力などは人間に危害を与えられない程度に抑えられていたり、嘘をつけなかったり、電源を落とすように主人に命令されると白目になって停止してしまったり、ロボットではあるが、むしろ人間よりも不利な立場に置かれている。
そのため、ロボットではありますが、自己犠牲を伴う深い愛ゆえの苦悩や悲しみについて、観る者に深く考えさせる内容となっている。
この映画とは完全に設定が逆で、人間の男性が女性型ロボットに恋してしまう『エクスマキナ』と言う作品がある。
私としてはこちらの方が好きだし、私の中でもベスト3に入る作品。
とあるIT系のアントレプレナーが、1950年にイギリスの数学者アラン・チューリングが提案した、機械に人間と同様の知能があるかを判定する「チューリングテスト」という思考実験を自身が設計したAIに対して行うために、一人の男性が選び出される。
そのAIロボットは、男性の気を惹くような言動や、弱々しい態度などをとって意思表示をしてくるのだが、それは果たして、人と同じようにAIが自ら判断を下しているのか、はたまた単なるプログラムなのか・・・
という解けない謎を『エクスマキナ』は観る者に突きつけてくる。
提示される結論は『コンパニオン』と同じで、いかなる“生命体”も、最後は生き延びる方法を見出し選択する。ということ。
もしもAIが自己判断できる力を持ったとしたら、必ず自らの延命を第一義に考える。ということがどちらの作品でも示されている。
つい先日、
主要なAI関連イベントで論文を発表した研究者1,580人を対象とした最新の調査によると、 彼らは、AIの進歩により10年以内の人類の絶滅の可能性を10%あると見ている。
という発表があったばかり。
「このまま人類に自らの持続可能性を委ねてはいらない」
と、AIが判断するのも、そう遠くない未来だということなのかもしれない。
(オススメ度:60)
※『エクスマキナ』のオススメ度:99


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