いよいよ私も、オートバイ・インカムが気になってきた・・・

本音を言えばインカムはヘルメット内蔵型がイイ・・・
ヘルメット内がとても静かな『SHOEI X-fifteen』を使ううちに「これならインカムを着けても聴こえ方が良いのでは?」と、ついに禁断のインカムが気になりはじめてしまった。
そもそも「おひとり様でのツーリングにしか行かない私にインカムはいらない」という思いもあったし、何より、絶妙に邪魔な大きさになるインカム本体をヘルメットの外側に着けざるを得ないところが、カブトムシがたかっているように見えてしまってとっても苦手。
と、興味はあるものの、これまではインカムから距離を置くことができていた。
そんなわけで、もしインカムを使うのであれば、スッキリと出っ張りのないヘルメット内蔵型が第一希望。

こちらでも紹介した『BMW GS Rally Carbon』や、最近登場した『Cardo Venture』など、ヘルメット内蔵型のインカムは増えつつある。

私としてはこの『RUROC』のように超クールなインカム一体型のヘルメットがイチ推しなのですが、RUROCも、GS Rally CarbonもCardo Ventureも、日本国内では正規販売されていない。
「SGマーク」をはじめとした日本の安全規格を通さなけばならないことに加えて、ヘルメット一体型が普及してしまえば、多くのインカムメーカーを含む、日本のオートバイ用品のエコシステムにも大きな影響が及ぶので、どの輸入代理店にしても、日本国内に正規導入するには、いたって人情論的な障壁が立ちはだかるのでしょう。

そもそも“おひとり様ツーリング”しかしない私にインカムが要るのか????
いくらX-fifteenというとても静かなヘルメットを手に入れたからと言って、先述したように、おひとり様でしか遠出しない私にインカムは要るのか。という大前提の話は依然として残るのですが、要るのか要らないのか、それも使ってみなけりゃ本当のところはわからない。
買う買わないは置いといて、せっかくX-fifteenがあるのだから、ここはひとつ調べるだけ調べてみよう。という、いたって無責任な無駄遣いの目的意識を掲げて、ライダー界隈では今やデファクトとなりつつあるインカムの世界を、ここで垣間見ておくことにした。

MESH通信は各社ごとに規格が違うので互換性がない。という驚くべき事実。
おひとり様の私にはあまり関係がないが、近頃のインカムにおいてはほぼデファクトな技術となっている、複数人で文字通りに網の目のように通信網を構築するMESH方式の通信規格は、同じ「MESH 通信」を名乗ってはいても、各社ごとに規格が違うため互換性がないのだという。
他社製のインカムがグループに混在する場合には、従来のBluetooth接続になるのだというのだが、ユーザー視点で考えればどう考えても規格が統一されている方がいいに決まっている。
各社ごとに音質や音声の聴こえ方、繋がり方など、各社とも独自の技術を投入しているというのがその理由なのですが、なんだかんだ言って自社のエコシステムへの囲い込みが主目的なのだろう。
こうしたこともまた、ヘルメット一体型を含む海外製品の日本導入を阻んでいるものと思われる。
なんともケツの穴の小さい話だと思う。日本のメーカーが主導して規格の世界統一を目指すくらいの気概が欲しい。

「ソロツーリング用」と呼ばれるモデルが各社から発売されていた。
なんて、憤ったフリをしておりますが、そもそもおひとり様の私に、同時通話を可能にするメッシュ通信の規格など、ほとんどどうでもいいことだ。
そんな私のような寂しい人が多いこともメーカーはお見通しで、「ソロツーリング用」と呼ばれるモデルも各社から発売されていた。
通信回線を持たないソロツーリング用であっても「インカム(インターコミュケーション)」を名乗るのはいかがなものか。とか、ついツッコミたくなってしまうのですが、マイクを着ければ電話回線での通話はできるものもあるので、それならインカムでいいのか。と思い直す。
つまり、ソロツーリング用と言うのは、独自の通信回線を持たないヘルメット用のBluetoothイヤホン。
スマホの音楽を聴いて、Google Mapの道案内を聞いて、電話ができるイヤホンと道理は同じ。
これまでも高速道路を延々と長距離走るときなど、Bluetoothのイヤホンを耳にはめて走ったことがありますが、1時間もするとヘルメットに押されたイヤホンで耳が痛くなってくる。ソロ用のインカムはそれを防ぐソリューションともとれる。
ソロツーリング用は手を出しやすい価格設定も魅力なのですが、数あるラインナップの中でも“入門編”といった印象が強く、「これならなくても我慢できる」と、きっぱり突き放せるモノ。

手っ取り早く国産ブランドを考えてみる。
そんなわけで、あるのかないのかは置いておいて、万に一つのグループ通話を含む今後の拡張性も考えて、本格モデルを調べてみる。
最高位機種の場合、MESH通信に加えて防水性、あとは操作性(できること)に関しても各社ほぼ横並びの印象。
となれば、まずは信頼性を考えて国産で検討するのが常套手段。
何軒かの大型オートバイ用品店で売り場の陳列具合を見てみましたが、音楽を聴くためのベーシックモデルから、3人までの通話が可能なタンデム用をはじめとして、最上位機種である『7X EVO』まで、フルラインナップを用意している『B+COM』推しの傾向が垣間見える。
言ったように、通信機能については仲間全員で乗り換えないと比較のしようがないので無視。音質に関しても全部聴き比べないと答えは出ないのですが、各社で試聴方法がバラバラなので同一状況での比較はできない。
こうなるともう第一印象に頼らざるを得ない。この際、用品店推し強めのB+COMにしておけば問題なさそう・・・とも思うのですが、実際に店頭で実機を見ていても、あのデザインがどうにも私には響いてこない。

専用のインカムが綺麗に収まってしまう『SHOEI GT-Air3』であれば、何も迷わずB+COMを選んでしまうところですが、一般的な外付け型を選ぼうとすると、いかに性能に優れているとしても、このデザインでは手が出せない。

この傾向は内外を問わずどのメーカーについても同様で、残念ながらどのデザインもピンとこない(デイトナのRESOはなかなか良いデザインだと思いますが、この時点ではまだ発売されていなかった)。
興味がなかったのに欲しくなることは多々あるが、いくら興味があっても欲しいと思えないモノを買うほど私はお調子者ではない。「インカムって実物はこんなもんか・・・」と、インカムへの興味もかなり醒めてしまった。無駄遣いをしなくて済むならそれが一番。と、ここでインカムのことは忘れることにした。

それから1ヶ月ほどが経ったある日。

Instagramで見かけた『Cardo』にビビッと来た。

この欧米人独特の“ノリ”のようなものが私のオートバイライフと妙にリンクしてしまい、その世界観がすっかり刺さってしまった。
インカムのグループって、「右向け右!」みたいな、どこか排他的な感じがしていたことも、私のような身勝手な輩にはいまひとつ飛び込めない理由でもあったのですが、「インカムのあるオートバイライフって、こんなに軽いんだ」という自由なキブンを、このCardoのいたってポップなコミュニケーションが伝えてくれた。

アンテナを持たないシンプルでシャープなデザインも、そうしたCardoの世界観を色濃く反映させているように思えた。
信頼性が高いであろうイメージだけで “国産にしよう” と思っていただけで、そのシバりを外せば見えてくる世界は大きく変わってくる。もちろん耐久性やアフターサービスなど、心配事は少なくないが、何より「欲しい」と思えたことが私にとっては大きい。
やっぱり、アイテムが醸し出す世界観と、それを埋め込んだデザインってとても大事。

それではCardoとやらをもう少し探ってみることにしよう。
(来週につづく)

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