ハンターカブに『YSSフロントフォーク・アップグレード・キット』を組み込んでから200kmほど走らせた。
舗装路が主だが、畦道程度のダート路も走ってみた。
結論を先に申し上げれば、想像していたよりも硬い。
もう少し走らせれば、諸々馴染んでくるのかもしれないが、大きく変わることはないだろうと思う。
リアのYSSサスペンションとの整合性はきちんととれていて、バランスはそれなりに良いように感じる。
私のハンターカブには、YSSのリアサスペンション以外に、ロングスイングアーム、フロント3.00-17、リア3.25-17のブロックタイヤが装着されているので、ノーマルとは比較にならないかもしれないが、目指す方向性に大きな違いはないように思う。
それはやはり、CT125ハンターカブはノーマルから素性が良いから。
サスペンションに手を加えるのは、その素性を崩すことに他ならない。
原付2種という趣味性以上に汎用性を求められる地に足のついた機種だからこそ、余計にそうしたことは不必要だとも感じた。
もちろん、乗り方や、足周りの好みは人それぞれだと思いますが、万人を納得させるだけの懐の広いセッティングが、ノーマルのハンターカブには施されているのだなと、改めて感じました。
という言い訳じみた前段を経て本題に移りますが、あえてこのYSS仕様の正しさを語るのであれば、これは60km/h以上の速度域のためのセッティングだということ。
そこまで加速させると、それまでの車体周りのワナワナとした頼りなさがなくなり、路面の凸凹やウネリをいなしつづけることで、ビシッと一本筋の通った直進安定性と、存外の乗り心地の良さを味わうことができます。

ダート路ではターン時のフロントの反応が素早くなる反面、深い轍の続く場所での直進時では跳ね返りがちでハンドルを取られ操作に気を遣わされますが、フラットダートではリヤサスペンションの動きが明瞭に乗り手に伝わるようになり、高い速度域でも安定感が高くなったように感じさせてくれるようになった。

それらの代わりに、ノーマルのもつ、低速域からの扱いやすさはかなりスポイルされ、40km/hくらいまでは路面の凹凸を拾いまくるため乗り心地ははっきりと悪くなった。
フロントフォークに荷重を架けて沈み込ませたときのフォークの戻り方を観察すると、伸び側はかなり硬めでいて戻り方がまあまあ不自然に感じられた。これが、径の細いフロントフォークと『PDバルブ』の組み合わせの限界なのだろう。
伸び側が渋いぶん、高速時の車体の上下動が抑えられ安定性が増しているのだと思うが、その反動がしっかり低速時に出ている格好。
このYSSのセッティングは間違いなく70km/hあたりを睨んで設定されているのだろう。
ブロックタイヤの低速時の乗り心地の悪さも加担していますが、同じタイヤで60km/h時の乗り心地の良さを感じているので、舗装路寄りのタイヤであっても速度の違いによる乗り心地の差は出るものと思われる。

プリロード・アジャスターですが、あまり効果はないのかと思っていたら、2目盛ほどプリロードを足しただけで、言ったような低速時の跳ね返りが増すことが分かった。
リヤのプリロードと組み合わせて、いくつかセッティングを試みましたが、いくらリヤのプリロードをいじってもフロントの跳ねる傾向は消せなかったので、フロントのプリロードは解放値にしておいた方が無難だと私は思う。
というわけで、フロントのノーズダイブはほとんどなくなり、そのぶんリヤサスペンションの仕事量が増す良いセッティングにはなったものの、個人的にハンターカブに担っていて欲しい低速域での乗り心地が悪化してしまう結果となってしまった。
結論としては『YSS フロントフォーク・アップグレード・キット』は、荷物を多く積載してするロングツーリング派に向けたパーツであるのだと思う。
フロントフォークの突き出し量を増やすと変わるのかなあ。
こんどやってみよ。
良い方向に変化があったらまたこちらに書くことにします。


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