ただただ旨いカレーを食べたくて飛騨高山へ

例によって酒を傾けながら翌日の行動を計画する。
いつもは天気予報とにらめっこで降水確率の
低い方に向かって走る計画を練るのですが、
翌日曜日の天気は全国的に秋晴れ予報。
選択肢があり過ぎて逆に悩ましい。

ギリギリ辿り着けなかった
美ヶ原に向かうことも考えたが、
それだとそのまま小諸側に出てしまうので
ちょっと味気ない。

秋の深まった白馬にもう一度向かうテもあるが
もうすぐ訪れる冬になれば、
白馬には何度も来ることになる。
それを思うとイマイチ盛り上がらない。

いっそ西進して飛騨高山まで足を伸ばすか。
飛騨高山にはHAMAさんに教えてもらい
一度だけ食べたことのある
牛すじカレーが絶品のカレー屋さん
『弱尊』がある。
高山を訪れる機会なんてほとんどないので、
もう10年近く行っていない。
この先も牛すじカレーを食べられるのは
いつになるのか分からない。

ただ、高山へ行くとなると片道90km、
同じ道を往復するほかない。
しかもカレーを食べるだけの道程だ。
酒も相まって、考えただけで
ちょっと胃もたれする。

というわけで、面倒ゴトは翌朝に
目が醒めたときに決めよう。と、
後回しにして、その晩は目の前の
旨いものに集中した。

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そして翌朝。
ホテルから駐輪場まで歩く道すがらに
「カレーを食べに行こう」と決意した。
そうと決まれば朝飯は何も食べずに
腹を空かせて走ることにする。

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松本からは158号線をただ直進するだけで
半自動的に高山に到着するので
ナビの必要もほとんどない。
ただただ道端の景色に没頭していればよい。

そうして走れば、やはり、
とても良い道でありました。
悦んで往復してやりましょう。

ここは上高地へのアクセス路でもあるので、
途中の観光駐車場では、多くのハイカーたちが
登山の装備で巡回バス乗り場に並ばれていた。
この時期の上高地もまた素晴らしいのだろうな。
私は夏山は登らんけど。

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冬に平湯を抜けると、
FF車では背筋も凍るような完全凍結路に
出会えるかなりの難所がつづく。
そこまでも気の抜けない凍結路がつづくので
あまり良い記憶のない道なのですが、
この季節はその思いが完全に反転する。

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前日に強い寒波が入ったためか、
乗鞍、そして穂高の頂には雪が積もっていた。
冬はもうすぐそこだ。
(とか思ったのも束の間、そのあと夏日に
 逆戻りしたのはご存じの通り)

この日は松本から平湯までよりも
平湯から高山への盆地区間の方が
何倍も寒かった。
前日の標高1,500mを超えるビーナスライン
よりもずっと寒い。

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弱尊の開店の1時間以上前に高山に到着。
何となく古い佇まいを残す街中を流していると
どういったわけか必ず辿り着いてしまう陣屋。

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陣屋の前の駐車場では朝市が行われていた。
オートバイでなければあれこれ買って帰る
ところなのだが。残念。

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トコトコと歩くような速度でも
安定感抜群のR18なら街中の散歩も容易。
加えて、R18は古い街並みにとても似合う。

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そうして開店の30分前に弱尊に到着。
遠くからいらしたバイカーの方が2名
すでに来ていらっしゃった。

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行列になる様子もなかったので
何かないかとGoogle Mapを眺めると
すぐ近くに高山駅があったのでぶらっと散歩。
景勝地の駅って何処もステキよね。

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口開けと同時に入店。
席に着くなり牛すじカレーをオーダーした。
久しぶりに食べさせていただくことに加え、
ここまでやって来た達成感も相まって
何十倍も旨く感じる。
旨いものは遠くにありて思ふもの。
いつもいつも食べられたら
有り難みは少ないのであります。

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食べたら帰る。即帰る。
本来なら一泊以上して散策すべき場所なのに、
なんて潔い旅なのでしょう。

ちなみに、あまりに寒かったので
復路は中に虎の子の一枚として温存してきた
ダウンインナーを追加した。

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くどいようだが、良い道は逆向きになると
また別の一面を垣間見ることができる。
同じ道を往復することもまたヨシ。

同じ道を往復することもそうだし、
カレーを食べに200km走ることもそう。
何よりその日の朝に行き先を決めるなんて
芸当ができるのもソロツーリングの醍醐味。
誰かと旅を共有できる歓びもよーく分かるし、
一人酒の侘しさも身に滲みる。が、
木曜日あたりに週末の天気予報を
眺めながら思いつきで行き先を決めたり、
朝、急に行き先を変更したりできる一人旅は、
身勝手な私の性に合っている。

独り者は孤独と引き替えに
強大な自由を手にするのである。

何より、オートバイという乗り物は
本来自由を愛する人間のためのものなのだ。

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という言い訳のもと、
思いつきで松本城に寄っていく。
NHKの大河ドラマにハマっていると
こうしたの美しい城の見え方も変わってくる。
歴史も旅も浪漫なのであります。

15時に松本を発って帰路に就いた。
やはり関越道はこの時間ですでに渋滞していた。
「仕方なく」ではなく「積極的に」下道を選択。
ひたすらに254号線を走って帰ることにした。

ホント不思議な感覚なのですが、
R18に乗っているとすぐに帰りたくなくなる。

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こちらは荒船山。
帰り道は消化試合かと思いきや。
254号線も良い味出してます。

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埼玉まで戻り、『四つ葉』で
らーめんを食べてから帰った。
今回は握り寿司もトッピング。

カレーにらーめん。
いい加減食事に気を遣わなければならない
年齢なのですが、ダメ人間の晩餐は
それはそれでステキなので止められない。

この日の総走行距離:380km

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