もし映画館まで観に行く気があるのなら、予告編を含めて一切の情報を遮断して何も知らない状態で劇場に足を運んでほしい。
そして、もしできることなら『Dolby Atmos』版を観ていただきたい。
とか言っても興味を持つことは難しいでしょうから、もう少し説明しておくと、まず今作はスペインの作品で、全編ほぼスペイン語で展開されるということ。
スペイン作品としては異例の、アカデミー賞、カンヌをはじめとした世界中の映画祭において、49受賞 124ノミネート(※2026年3月10日 時点)を受けているということ。
そして、『シャイプ・オブ・ウォーター』『パンズ・ラビリンス』の巨匠ギレルモ・デルトロがプロデューサーに名を連ねているということと、デルトロ以外にもポール・トーマス・アンダーソンなど、名だたる映画監督たちから称賛が寄せられている。
それらの評価はすべて、この作品の視点の真新しさ、映画というフォーマットを再定義したと言っても過言ではない、シンプルでいて大胆な発想と、それをまっすぐに実行に移した才能に対してのもの。
ついでに私の感想を簡潔に言ってくと、こちらでも何度か触れていますが、配信サービスが高度に発展した昨今、映画館まで行く必要、目的は一体どこにあるのか?という疑問に対して、『シラート』は完全なカタチでその疑問に答えている。
映画というエンターテインメントの有り様を、完全に作り替えているとすら思った。
しかもそうしたことを、コンピューターグラフィックスや、AIなどではなく、シンプルなアイデアだけで達成しているところがすごい。
映画の可能性、劇場でしか得られない体験を拡張して魅せている。
この映画を鑑賞すること自体が、観る者の五感を覚醒するような、とてつもない刺激を観る者に突きつけてきます。
そうした体験を得るために、Dolby Atmosの音響設備がかなり大きな役割を担っていました。
とにかく、この映画に説明は不要だし、説明が不要であることがこの作品の重要な説明になっている。
今作を鑑賞することで得られる体験を最大化するために、一切の情報を遮断して、できるだけ音響施設の充実した劇場で観てほしい。
「この映画をもう一度観るか?」と問われたら、「もう観ない」と答えておきたい。
なぜならそのほとんどのシーンを、かなり正確に頭の中で再生ができるから。
それくらい強く『シラート』の場面場面の映像が私の脳みそに焼き付いている。
昨晩はこの映画の一場面の夢も見た。
(オススメ度:100)※但し、劇場鑑賞に限る。配信、DVDでならオススメ度:50


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